清濁はカフェオレにして

女子大生の不定期手記

かき氷

最近、本当に流行に疎くなったなあと思う。もともと、敏感な方ではなかったが大学生の私が完全に遅れるはずがないと思っていた。

だって女子大生だぞ。若い方じゃん。

といっても、よくテレビやネットで流れてくるJK必須用語集、みたいなやつは大体2、3個知らない単語があるし、若い女性のバイブル!みたいな雑誌は一切読まないしで、何が流行っているのかよくわからないし、今までずっとそうだった。バイブルっていうのは聖書という意味だから、読まない私は、それらを読む彼女たちからすれば異教徒的存在になるのだろう。

それもいいな。私が流行を追わなくても、周りに敏感な友人はたくさんいるので、これからも、いざとなったら引っ張ってもらえばいい。

 

最近引っ張ってもらった事例は、かき氷だ。

かき氷って、家でガリガリ氷を削って、実は色が違うだけで味は一緒、というシロップをかけるイメージ。友人からかき氷食べに行こ、なんていう誘いを受けた時、正直、ほぼ水でできた食べ物を、わざわざ食べに行くなんて…と思った。ところが、最近のかき氷は私の想像を遥かに超えていた。

 

友人が連れて行ってくれたお店のメニューを見てみると、シャバシャバのシロップがかかったかき氷なんてものはなく、まるで洋菓子のようなかき氷が並んでいた。果実がごろごろしたシロップがたまらなく美味しそうにキラキラしている。こんなん美味しいに決まってるやん……。

 

初体験の相手は重要だ。何事においても。しっかりと品定めをして、ストロベリーミルフィーユ氷というのを選んだ。苺ミルクとか他にもたくさんあったけれど、これが私にとって一番魅力的だった。

 

運ばれてきて、まず驚いたのはそのサイズだ。ハンドボールくらいあるし、しかもその上から大量のカスタードクリームやシロップがかかっている。食べる前から溢れてしまって、お行儀が多少悪くても怒られないんじゃないかレベルだ。

上にちょこんとまるごとの苺がおすわりしている。白い氷にかかったシロップの赤さとカスタードの優しい黄色、ミルフィーユに欠かせないパイを砕いた茶色いフレークが、華やかなドレスを思わせる。めっちゃかわいい。色味だけでかわいい。

しかし、食品というものは、見た目だけではいけない。中身が大事だ。人間と同じく。

一口いれると、あっという間に溶けた。これは私が知っていた砂のような細かい氷の粒ではない。羽のような氷と甘酸っぱい苺、そして主役を立たせる甘さ控えめのカスタード、パリパリと奥歯で砕けるパイ生地の香ばしさ。これがかき氷か。

私は、かき氷に関しては未開人だったのだ。それを友人が最先端まで連れ出してくれた。

やはり、持つべきは友人である。