清濁はカフェオレにして

女子大生の不定期手記

夏休み

大学生の夏休みは長い。そして、やりたいことがない、もしくはできない。

コロナのせいで、友達とわいわい旅行にでもと思っていたけど、かかってしまったら家族はもちろん大学に顔向けできない。初めから誰がかかってもおかしくないことは承知しているが、それを許さない世間が怖い。そういう学部のくせに!って言われて、玄関に張り紙でもされるんだろう。

三重大学の学生はかわいそうだった。友人に同大学の子がいるが、所属が同じということだけで判断され、批判されることに憤慨していた。

私にとって外出はハイリスクだ。かといって、友人に全く会いにいかなかったわけではない。バイト以外、誰とも会わず、家に閉じこもっている、そんな夏休みがあってたまるか。

しかしコロナ対策と経済再生の両輪を回すのは非常に難しいものだ。女子なので(?)、再会の喜びが体を突き抜けてしまうことが多く、大抵両腕を広げてハグをしてしまう。自撮りの時は、ほぼくっついて撮るし、食べものだって、そっちのちょっとちょうだいと言われる。密だし、最後のは間接キスに等しいので、最近は友人と同じものを頼むようにしている。

完全に気を緩めて遊べるわけではないものの、友人と過ごせる時間というのはいいものだ。特に予備校時代の友人達は別格だ。戦友、というか、いろんなことがあった。

変な話だが、私は予備校で彼女たちに会うまで、そんなにきらきらした生活を送っていなかった。なんとなく単調で大体明日のことは予想できる日々だった。しかし、その女友達二人に出会って、毎日たくさん笑うようになったし、青春はここにあったのだなあと思う。

大学受験に失敗した人間が集まるところで青春を感じるとか可哀想、なんて言われるかもしれないが、休憩時間に一緒に袋菓子をつまんだり、クリスマスを祝って小さなケーキを分けたり、入試直前期になったらお互いの勉強がどれだけ進んだかを見せ合うということがたまらなく楽しくて愛しい日々だった。

もちろん、これは全員が第一志望に掲げた大学、学部に受かっているという結果が大いに影響しているかもしれないが。

またしばらく二人に会えなくなりそうだが、これからもゆるく繫っていられたらな、と思う。